市街地

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 市街地の改租では、最も多かった城下町の場合、先づ武家地・町地に対する土地処分が行なわれ、郡村宅地に対して市街宅地という一つの地目となり市街地券が交付された。浜松県の場合は地積丈量についで土地の便否や人民相互の貸借料・売買価格等を参酌(さんしゃく)して地位等級を定めこれにもとづいて地価・地租を決定した。その結果は前に述べた通りであるが(「遠江国の地租改正結果概要」)、これは市街地改租としては全国的にみて松江に次ぐ早期終了であった。このうち、城下町でもあった浜松宿の改租経過は不明であるが、前に述べた浜松宿政の推移や後に述べる浜松の士族の項などから或る程度まで推察できる。とくに浜松宿二十九か町の町名・反別表(第四節第三項「各町の特色」参照)は改租終了後間もない時期の資料として興味深い。