2 金原林 明善が自己資金をもって買取っていった山林で、瀬尻御料林に隣接する地域である。十九年瀬尻御料林と同時に並行して植林を開始し、二十二年に同山中に事務所を設立して管理した。二十八年植込み面積凡七百町歩未植地面積凡二千町歩あったという。三十七年金原疏水財団(現在の金原治山治水財団の前身)が創立されると、財団の基本財産の主要部分となって今日にいたっている。瀬尻御料林も金原林も何れも天下の美林として有名である。
さて植林はこれを製材と運輸に結びつけなくては利殖にならない。明善はその方面にもよく意を注いだ。