県では教科書を重刻(浜松宿内一貫社や博文舎が担当)し払下げて貸与したりして学習の便をはかったり(授業料毎月一二銭五厘で相当の高額であった)、使用ずみの新聞・日誌・書籍を払下げ教材資料の収集に力を尽くしている。教授給料月給七円ないし十円、助教四円ないし六円ぐらいで、授業生月給七十五銭であった(明治十年市野村飯尾周三辞令)。地元教師の著述に渋江保『小学授業必携』、矢部暉『小学開化用文』、藤原直方『生徒心得』、三宅均『忠経大全』『神武天皇ノ御伝記』(連尺町伊勢屋権平・積志屋清七・伊勢屋太右衛門・新町積徳堂健次郎発行)などがある。
小学授業必携
小学開化用文