全戸数のうち士族は九百七戸で三十%(同居家族も若干ある)、平民は二千八十三戸で七十%を占めている。その居住地域も士族は旧侍屋敷町に、平民の大部分は旧町人町に住んでおり、たいした変化はない。旧侍屋敷町のうち士族のみの町は馬冷(うまひやし)・作左(さくざ)・船蔵(ふなぐら)・年行事(ねんぎょうじ)(司)・下馬場(しもばば)で、士族が大部分を占めているのは御組町・半頭(はんこう)につづき元目・元城内・白山下などがあった。また平民が半ば以上を占めているのは繁華街に近接する後道・大堀新地・鴨江小路と秋葉町などであった。士族はほとんどが旧静岡藩士で、井上藩士はまったく住んでいないといっても過言でない。