東海道通

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 【田町 伝馬町】明治維新を迎えたとはいえ、中心街を成しているのは江戸時代以来の田町・神明町・連尺町・伝馬町とつづく東海道往還筋の町々であった。老舗も多く商店街を形成し、呉服・太物・銅鉄器・薬種・書籍・小間物・雑貨などのほとんど日常の用事はここで足すことができた。【旅籠町】さらに伝馬町から旅籠町へかけては旧宿場町の名残を残し、宿屋(旅籠屋二七戸、郷宿三戸)が多く、なかには貸座敷(伝馬町一九戸、旅籠町七戸)に転業した店もあった。【塩町 成子坂町 七軒町】塩町には依然と塩商人(一七戸)が軒をつらね、成子坂町には酒造店(神谷忍冬酒)があり、七軒町には宿の西はずれらしく薬湯とか駄菓子屋が多かった。【上新町】それに隣る上新町は堀留運河の開航によってお茶屋・料理屋・すし屋・煮売屋から風呂屋までが並び車力も住み、浜松の新しい玄関口として活気を呈している。【板屋町 新町】板屋町・新町は、田町に続く宿の東はずれの町々であるが、ここは農村地帯に近接しているので木綿関係の商人(綿買出し商九戸、綿商二四戸)また穀物商(穀類買出し商など)が多かった。もっとも綿買出し商人はこの二町にかぎらずどの町にも多かった。