【一級 二級】町村制の施行にともない、浜松町の町会議員の定員は二十四名で、一級議員十二名と二級議員十二名とに分かれ、任期は満六か年で、満三年に至って半数改選であった。最初の選挙は明治二十二年四月二十六日(二級)・二十七日(一級)の両日行なわれた(後述)。市制町村制の施行から大正末年の普通選挙法まで我が国の市町村会議員の選挙は等級選挙であった。これは選挙民を納税額の多少の順序にならべ、各級の選挙民の納税額の合計が各級ごとに等しくなるように上位から一級・二級ないし三級に分け、各級が独立の選挙人集団となってそれぞれ同数の議員を選挙する制度である。したがって納税額の多い選挙民は少人数で一つの級をつくり、納税額の少ない選挙民は多人数で一つの級をつくることになる。各級が同数の議員を選出するから、各級の選挙民の一票の価値は等しくないので不平等(ふびょうとう)選挙といえる。財産力が選挙権の資格として重視されたのであった。