わが国の勝利ということで日露戦争がすみポーツマス講和条約の内容が発表されると、各地に反対運動が起った。【講和反対】ことに日比谷公園に開催された反対の「国民大会」には、浜松からも西遠同志会の代表として井上剛一が出席したが、地元でも沢田寧・高柳覚太郎・鈴木貫之・中村忠七らが中心となって九月六日に利町の音羽座で講和反対の「浜松町民大会」を開き気勢をあげた。同七日の『静岡民友新聞』は「来会者一千五百余名」沢田寧座長のもとに天皇陛下万歳を三唱、沢田寧「涙を揮って国民に訴ふ」小竹禄之助「屈辱内閣打破すべし」佐藤章次「第一に国民新聞の首を刎よ」高柳覚太郎「売国奴」について「壮快なる演説あり、会場破るゝ許りなり」と報じている。