富農富商の受益

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 もともと万人講(『浜松市史二』参照)から発達した報徳社は、道徳と経済を兼ねるものであり、金融機関の発達しなかった明治初期には時宜に適するものとして普及したが、しかしこれを利用し受益し得る者は富農、富商に限られる嫌いがあった。したがって大正期ころからことに昭和期へかけて、銀行・信用組合・農会などが普及してくると、ようやく時代と離れる傾向を生じ、その発展にも停滞をきたすようになった。