国立銀行趣旨

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 【紙幣発行】国立銀行条例は明治五年(一八七二)制定され、その趣旨は銀行に資本金六割相当の官省札を上納させ、これを金札引替公債証書に換えさせ、この公債証書を抵当として同額の銀行紙幣を発行させる。また残る資本金四割は、本位金貨でこれを積みたて紙幣の兌換に充てる、というにあった。こうして明治以来政府が乱発した不換紙幣を消却し、また民間金融の円滑化にも役立てようとする構想であって、その名称は米国のナショナル・バンクを直訳したものといわれる(『静岡銀行史』)。

第二十八国立銀行発行紙幣


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