浜松繭市場 繭生糸仲買業組合

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 養蚕の発達によって、生産された繭は浜松付近では浜松駅前の新川橋付近に開設された市場で取引きされた。農家が車で運んでくる繭を三河東部(豊橋・二川など)の生糸業者が待ち受けていて、夕方から夜にかけて入札が行なわれたものであった。【大正三年】しかし、仲買人を介して出荷するものもあって、時に紛議もおきたりしたので、大正三年五月には浜名郡浜松市繭生糸仲買業組合が組織され、組合員以外は競場に立入ることを許さないようになって、取引が迅速に行なわれるようになり、また繭生産額の増加につれ大正七年から昼間(春蚕(はるご)は五月上旬より六月上旬、秋蚕は八月上旬より十月上旬)の取引となって、十四年の総取引高は四十万貫余に達する盛況となった。繭糸問屋として不二山商会(田町停車場通)などがあった。