遠州灘沿岸 舞阪港

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 遠州灘沿岸 天竜川口から浜名湖口まで。主要漁獲物鰯(いわし)・鰹(かつお)・鯖(さば)・鰺(あじ)などで種類も多く、漁具には遠浅海岸を利用して地曳網とかうたせ網が主として用いられた。したがって漁船も地曳船・うたせ網船が大部分を占め、船体の大きさも三間ないし五間の船が普通であった。利益の配分は地曳網の場合には総収益を三分し、その一は船と網代に、その二は稼ぎ人員に分割したという。漁者一人の収入は年平均二十円ぐらいであった。半農半漁の沿岸漁業であったが、舞阪では沖漁も行なわれ、遠州灘沿岸における第一の漁村であった。次頁表は明治二十六年の漁村表であるが、発動機船の用いられるのは平均して四十一年以降であった(『静岡県水産誌』)。