入枡座火事

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 【二十五年】小野組の火事があってから十七年のちの明治二十五年三月二十三日に、連尺に火災がおこり、二百四十二戸が焼失した。火元は連尺の劇場入枡座(いりますざ)で、午前一時四十分出火し同五時五十分ようやく鎮火した。同座内の売店ラムネ屋の失火という。はじめ風は強くなかったが、火の手がひろがるとともに風が加わり、江間殿(えまどの)小路にひろがり肴町を焼尽し、また一方には伝馬より鍛冶に延焼し、消防組警察官が必死の消火につとめたが延々四時間にわたり連尺・肴の大部分を焼きさらに伝馬・鍛冶におよんで鎮火した。町役場では炊出しをなし、罹災者立退所として旧浜松病院・浜松高等小学校を指定し救済につとめた。これを入枡座の火事といった。

明治25年3月23日 連尺火災焼失区域図

                (『浜松町沿革誌』)