市歌制定

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 翌十年社会事業に着手するため調査委員会を設置するとともに、七月一日の市制十周年を記念して浜松市歌と同行進曲を制定した。作詞は森林太郎(鷗外)で、作曲は本居長世であった。浜松市教育会(会長石山逸八)が市より委任を受けて、浜松に縁があり鷗外の親友であった加古鶴所(つるんど)(前述、第二章第四節第三項記憶に残る士族たち)を通じて鷗外に委嘱をしたといわれている(『鷗外全集』、児玉璋『浜松市歌』)。
 
市歌
大宮人の 旅衣
入りみだれけむ 萩原の
昔つばらに たずねつる
翁をしのべ 書よまば
   国の乱れを しづむべき
   いさをのもとと この里に
   城の礎 かためけむ
   人な忘れそ 銃とらば
引馬のうまや さまかへて
よろづの業の 進むなる
いざもろともに 謀りてむ
わが浜松の 市のさかえ