遠州銀行 県下最大の銀行

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 【大正九年】そのうちの①遠州銀行は西遠・資産の両銀行が合併して大正九年六月創立した資本金七百万円の静岡県下最大の銀行であった。十二年には「静岡市の銀行は店にいて客を迎える」といわれた県都静岡へ進出し、【浜松商法】進んで訪問し顧客を捉えるという積極的な営業法(これを浜松商法といった)をもって活躍した。「静岡の商人は格式とか伝統を重んずる傾向が強いのに、浜松の商人はそろばんを尊重し僅かな利益を求めて取引銀行を変更することさえも意としない」(『静岡銀行史』)とまでいわれつつ県下最大の銀行に発達したのであった。昭和三年本店を田町に新築したが(頭取高林泰虎、昭和十三年中山均)、その堂々たる洋風建築は県下第一の銀行にふさわしい建物として世人の耳目を驚かした(現在静岡銀行浜松支店)。