笠井市とボデー 笠井の新興商人

405 ~ 405 / 729ページ
 ここで西遠平野の最大の綿作地の東北部地域に目を向けると江戸時代より引続いての笠井市(いち)があり、ここにも浜松と同じようにボデーと呼ばれる買出しを主とする仲買商があり、付近の農家を廻って繰綿を買い入れこれを貸機業者に織らせ市日を待って市に集まる商人や消費者に販売しておった。商圏も現在の周智郡森町から引佐郡三ヶ日町付近までの地方的の市場であったが、こうした笠井市に仲買商として出入し、新興の木綿(太物)商人となった人に地元笠井の山下吉十・加藤平四郎・加藤伊久蔵や木舟の木俣千代八・外山吉十郎・鈴木文平、万斛(まんごく)の袴田八十郎、寺島の源馬房次郎、西美園の富田五郎平などがあった。

笠井市場跡(昭和41年撮影)