明治の初年に浜松東部の馬込川流域(天神町村が中心)に、家庭的な工場組織をもって織布業を始めたものが現われたことは既に述べたが、そののち①紡織技術の進歩による外国綿糸の豊かな供給②織機の進歩による生産力の向上③販路の拡大と確実化④業界の組織化などにより、原綿の心配はなし、その製品の売行は安全であり、身分も組合によって保証され、農家の副業としてのみならず企業としても採算が成り立つということがわかると、これに倣って各地(浜松及び浜名郡)で織布業へ転換するものが現われるにいたった。
専業化原因 織布業者の専業化