ここで、今までみてきたところを総合してみると、明治末期から大正へかけて①馬込川の東岸地帯(旧天神町村を中心)を中心に機業・染色業・捺染業(日本形染株式会社)・鉄工業が勃興し、ここにいわゆる浜松東部工業地帯の形成をみることができ、②また馬込川西岸の駅南地帯には浜松南部工業地帯が発達し、織布工場ばかりでなく、帝国製帽株式会社・浜松瓦斯株式会社・旭日氷糖株式会社(砂山町)・日本コール天紡織株式会社浜松支店(寺島町)、さらに伊場方面には東洋紡績株式会社浜松工場・名古屋鉄道局浜松工場などと各種の工場をみることができる。なかにも浜松工場は浜松に近代的重工業の技術をもたらしたといわれる。