蔬菜類

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 前にふれたように中心は蔬菜類である。増大する都市の需要がその支えであった。前頁の表は浜松市の蔬菜生産表の中から主要とみられる品目をぬき出したものである(『浜松の農業』)。
 
(表)浜松市の主要園芸農作物(蔬菜)の生産概況
大正78910111213昭和11121314
里芋収穫高70240240260681222886126146011531
価格594048003600468010201837662585769223961953592
漬菜収穫高201751501201882752105585915851020
価格3002625225036003384495031505587100361054618360
かんらん収穫高7283248162203235313175180453
価格14070041612009753045376031323500396011340
大根収穫高45611551120102016501657170011177102031020112364
価格3648173255600153001155082871700055888714257141398918
ねぎ収穫高44216216902702993593513393431485
価格1320648043207200459047841615028144070480544550
れんこん収穫高154411011076210244617617647739
価格45024004400820034209036979213585154381748028112
きゅうり収穫高7121224305259232235193601
価格210480600160015002625327246445645619230090
すいか収穫高30363015181821151324126358
価格600900150082572645056722736166378010752
なす収穫高1161601602602802482607607286151479
価格290400048007800560037203900912672801537536988
かぼちゃ収穫高309090135175227210430400267584
価格75027002250337535004550462043024806720916352
しょうが収穫高34300150243563150403393372687
価格600012000300096012602079400014918148201489630929

(収穫百貫単位・価格円単位)
 
 前頁の表はさまざまのことを示唆している。大勢としてみると生産の伸びは顕著である。しかし、価格及び収量の変動がやや大きく、しかも両者の間に因果関係がみとめられる。【庄内白菜】浜名郡の庄内地方(現浜松市)では第一次世界大戦後の不況期に従前の養蚕から白菜(中国の山東省から種子輸入)への作物転換をはかったが、これが第二次世界大戦後全国市場にその名をあげた「庄内白菜」の起りであった。【共同出荷】昭和初年、浜名郡五島村(現浜松市)では蔬菜(白菜・ねぎ)の農会による共同出荷を行なったが、これは全国主要都市で好評であった。その際に種子の配布・作付反別の割当・栽培法の指導・販売市場の調査・出荷方法の調査・等級制による価格の払戻などが実施されていたのである(『五島村誌』)。【富塚大根】市内富塚地区でも特産の大根を東西市場に共同販売した。これらの例は前述の普通農産物の大部分が生産者個人の自由販売によったことと興味のある対照である。【青果】また、園芸農産物は浜松市街地に対しては直接小売のほか市内の青果市場や夜間青果即売場(田町・神明町・伝馬町)や浜松生花市場(田町)を通して販売された。

富塚大根