静岡県の温室園芸は全国的にその名を知られている。【メロン】県下の温室栽培は明治時代からの温床・フレーム利用による促成不時栽培をその前段として明治末期のメロン栽培で始まったが、大正中期(六、七年)になると営利を目的として軌道にのり、昭和期に本格的な発展をとげるに至り、とくに蔬菜の増産に役立った(この点は他の温室先進府県もほぼ同様であった)。温室創設期の中心地は駿河の清水市三保・伊豆の賀茂郡下のほか、遠州では浜名郡芳川村・磐田郡豊浜村(現福田町)などであった。