茶と繭

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 茶と繭は当市の農産物全体の中では相当の比重をしめているが、前頁表①にみるように価格の変動巾は大きい。例えば富塚地区では、「昭和五年初メヨリ世界的不況ニヨリ茶繭等暴落シタル為メ桑茶ヲ倒シ蔬菜類ヲ栽培スルモノ多クナリタリ」という状態であった(昭和七年刊『富塚村誌』)。そうした動きは当時の浜松地方に広くみられた。しかし、それも結局は一時的の現象に終る場合が多く、農民にとって、茶・養蚕の魅力には捨てがたいものがあった(前頁表②、③参照)。なお、昭和十四年当時、浜松市の製茶工場数は二十一で、そのうち手もみ五、機械もみ十六(各種の機械使用台数合計四六三)となっており、製茶の機械化がうかがわれる。
 
(表)①浜松市の茶,繭の単価推移概況
大正期(茶 貫当り,繭 石当り)
大正5678910111213
1円42銭1.792.382.622.891.973.422.782.58
47円03銭63.7578.1697.3352.2662.96184.26129.0975.76

 
(表)昭和期(茶,繭ともに貫当り)
昭和234511121314
1円95銭2.221.08  0円33銭0.260.250.45
5円18銭6.166.112.602円80銭4.125.5610.70
備考浜名郡富塚村(昭.11 浜松市合併) 茶は煎茶茶は生葉

 
(表)②浜松市の茶・養蚕の生産状況
昭和11121314
茶園反別1544反162117261732
収穫高386000貫518000655880658160
価格126380円145040163970296172
反当り収量250貫319380380
養蚕収穫高6602貫631370997260
価格18492円260433946077633
桑園反別833反765737762
養蚕
戸数
春蚕118戸115133128
夏秋蚕114戸110125125

 
(表)③大正10年茶園反別表
市町村名茶園反別
町 反
浜松市37.5
飯田村0.4
天王村0.5
市野村4.0
積志村7.0
笠井町1.0
北浜村7.0
小野口村10.0
赤佐村23.0
中瀬村0.5
豊西村0.2
中ノ町村0.3
曳馬村28.0
三方原村90.0
白脇村1.1
可美村0.5
新津村0.1
篠原村0.2
吉津村0.1
新所村0.7
知波田村1.0
入出村0.3
和地村13.0
吉野村14.5
北庄内村14.5
雄踏村0.9
神久呂村34.5
伊佐見村15.5
入野村24.5
富塚村40.5
白須賀町1.0
372.3