いっぽう会社側は争議発生後間もなく争議顚末書を、株主はじめ関係会社・市内各新聞社・罷業団員の各家庭へ送付して交渉の経過を述べるとともに、一面威嚇を以て嘆願書の回答を促すことや若干の煽動者があって平地に波瀾を起こさんとすることは遺憾である旨を訴えた。
このとき浜松市内十数の有力工場では、メーデーを目前に控えてこれが飛火を慮り、二十八日夜に浜松商業会議所楼上に於いて協議し、会社工場主連盟を組織し、爾今同盟休業に依る労働者の工場又は会社に対する要求には応ぜずと決議している(大正十五年四月三十日『浜松新聞』)。