五月二十七日 帝帽・鈴木織機・飯田織機・中村氷糖・三立製菓・日本形染・杉増商会・東洋タイル・その他染色五工場など浜松地方の十四の大工場の従業員千五百名は、争議に対する会社側の態度に憤慨して各職場で抗議集会を開き、大要次のような決議文を可決して、各工場三名の代表者がこれを日本楽器会社に手交した。「決議、本大会は日本楽器従業員諸君の要求を当然なものと認める。然るに会社は言を左右にして之を聞かず、然も暴力団・朝鮮人反動団等を煽動して、白昼白刃をひらめかして暴行を為さしむるが如きは、言語道断である。又陰険なる逆宣伝を流布して市民に不安の念を懐かしめ、且つ吾々が最も尊重する労働者の団結権を蹂躪せんとするに至っては、断じて黙視することはできない。会社は速かに斯る非行を改め即時従業員の要求を承認し、争議を解決すべきであると勧告する。」(五月二十九日付)