七月十日 日楽争議は発生以来既報のごとく八十日にならんとし、仲裁・調停・検束・決裂・調停法適用といったように幾つかの経緯を歩んできたが、尚今日解決の曙光すらも前途に認め難い状態におかれている。争議応援の評議会ではこの楽器争議の前途は尚楽観すべきではないとし、且つ全国的な資本家対無産階級の争斗であるとみなし、労働階級の勝敗は今回の争議解決如何にかかるものであるとして、去年三十日評議会中央執行委員長野田律太外数名は急遽来浜し、種々争議の前途方針並に解決方針等について大いに画策しつつ今日に及んでいる。十日野田律太は、その解決が合理的であること即ち世間的に無理のない解決を望んで止まぬのである。若し争議解決を調停法に依ることをも天野社長が認めないならば天野その者は、国法を無視するものと言いたいのである、と述べている。