長期間の争議は、その規模・性格からして単に地方都市の一企業の労働争議という枠をはるかに乗り越えた当時の全無産者階級対全資本家階級の対決といった様相を色濃くした。当時の情勢からして労働争議は政治的にも社会的にも会社側の圧倒的優位の中で展開し、終末をみることが多かったが、日楽争議はまさにその典型とも言える労働争議であった。したがって全無産者階級の総力を結集した応援に裏付けられた争議団の行動にも、一歩も後にひけないという頑固なまでの強固さがあった。これが労資双方ともの争議中の暴力的対決(前述)という事態になってあらわれた。