労働界の衰微

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 昭和三年三月、突如当局は治安維持法を発動し、全国一斉に共産党員とその支持者を逮捕した。いわゆる三・一五事件である。浜松でもこの時十名程検挙されたが、新聞記事が差し止められたので市民は一か月近くこの事件を知らなかった。
 また同時に、労働農民党(大正十五年三月結成の左派の無産政党)・日本労働組合評議会(大正十四年五月結成)・全日本無産青年同盟(大正十五年八月発足)に対しても解散命令が出されたので、その煽を受けて浜松地方の労働界も火が消えたような状態となった。