このように数多くの民営鉄道計画が立てられては坐折していったが、政府が明治に私設鉄道法(明治三十三年、一九〇〇)・軽便鉄道法(明治四十三年)を設けて私鉄の建設を奨励するにおよび、全国に私設鉄道会社が創立され、その開通をみるようになった。浜松地方でもこのような動きに乗り、二つの私設軽便鉄道会社が創立され、その開通は浜松近郊の発展に貢献するところが大きかった。その一つが二俣へ行く遠州電気鉄道株式会社であり、他が奥山へ行く浜松鉄道会社であった。つぎにこの二社の沿革について述べよう。