浜松地方のタクシー営業は大正九年の万歳自動車商会(創立者磐田郡阿多古村出身加藤猛)が最初で、ついで十一年に八木橋周助(前述)らによって浜松タクシー自動車商会が創立されている。八木橋はもと日本形染株式会社社長宮本甚七のお抱え運転手で、宮本から譲りうけた自動車で前記の商会を創立したのであった。市内を一円五十銭均一で他業者と競ったという(『遠州鉄道二十年史』)。なおそのころ西遠自動車商会があったが詳細は不明である。