市街電車

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 ①市街電車 遠州電気鉄道株式会社(以下遠電という)と浜松鉄道株式会社(以下浜鉄という)の私鉄がいちはやく具体的に計画路線案を発表し、これに浜松市などが加わって競願となった。
 
【遠電案】遠電出願路線は、第一次案(大正十四年一月)は浜松駅と第二中学校を単線電車で結ぶ案であったが、第二次案(昭和二年七月)は市内木戸町から市内を横断し入野・篠原の両村を経由して弁天島に至る線を本線とし、別に二支線を設ける大規模な構想であった。【浜鉄案】これに対し浜鉄出願路線の第一次案(大正十五年十二月)は遠電との連絡路線を設けるとともに、広沢普済寺前から南進して東海道に至る案であったが、第二次案は板屋町駅から浜松駅前に出て鴨江裁判所・高等工業学校・名残・高射砲隊を経て奥山線と接続し、再び板屋町駅に戻る循環線と、別に佐鳴湖を経由し舘山寺に至る線を設けるという、これまた遠電に劣らない企画であった。