忘れられていく地名

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 このような道路の変化のため、忘れられていく地名、新しくできる地名もあった。
 
【坂】前記の曳馬坂をはじめ神明坂・成子(なるこ)坂・大安寺坂・合羽(かっぱ)坂(児童会館前の坂)のような市の繁華街にある坂、そのほか灯籠(とうろう)坂(県居神社の側の坂)・平手坂(平手堅物の碑に上る坂)・天林寺坂・まっこう坂もようやくなだらかになっていった。【小路】五社小路・諏訪小路・鴨江小路・江間殿(えまどの)小路(江間氏の邸があったという伝馬町から肴町へ通ずる小路、訛ってぬまどの小路ともいわれた)・若宮小路(大工町若宮八幡社前)・松尾小路・稲荷小路(分器稲荷へ通ずる)・五右衛門(ごえもん)小路(神明坂の下より大安寺坂下へ出る)・新小路(肴町の横町)など、数々の小路の中には忘れられていくものもあった。【橋】また平田川も暗渠となり、それに架けた思案橋(廓に遊ぶを思案した)もなくなった。しかし秋葉坂(三組町)や切通し坂(鴨江より伊場に通ずる)のような新道が通じたためにできた坂もあれば、ねことび小路(肴町、芸妓が通るため)などもできた。