実業学校の向上も重視され、浜名郡立蚕業学校は大正八年四月県立移管となって同九年浜松市高林に移り昭和九年浜松農蚕学校となり(農業経営学校の前身)、市立浜松商業学校は十一年四月県移管となって静岡県立浜松商業学校と改称になった(昭和十一年十月には名残町、今の文丘町へ移った)。しかしこれのみでは商業教育は不充分であるとして(大正十三年浜松商業学校入学志願者三九八名、入学許可一七四名)、浜松商業会議所会頭中村藤吉らの肝いりによって大正十三年に創立(位置は現在の浜松市住吉一丁目)されたのが私立静岡県遠江商業学校であった。迎えられて廿日出厖(はつかでひろし)(広島県出身)が校長となったが、経営不振のため閉校のやむなきにいたった。そのためその全生徒全職員を収容し、昭和八年十一月浜松市高林町に新たに創立されたのが私立静岡県興誠商業学校であった。なお昭和四年四月に県立浜松第二商業学校が浜松商業学校内に創立されている。夜間商業学校であった。