全国産業博覧会は、浜松市が昭和六年三月十五日から五月八日までの五十五日間にわたり行幸を記念して、不況克服を祈念し、商工都市浜松の紹介と将来の発展のため開催した事業であった。
【期間】市は昭和五年十一月市会・商工会議所・遠江織物同業組合の協賛を得て市役所内に事務局を設け、宣伝部は開催趣旨宣伝、出品部は全国に出品の勧誘、工営部は会場の敷地の選定と、その準備を急いだ。十二月九日には起工式、昼夜兼行で設営に励み三月十五日予定のごとく名誉総裁に徳川家達、総裁に静岡県知事を推戴し、会長に浜松市長中村陸平、副会長に津倉亀作・佐藤章次・鈴木幸作を任じ開会式をあげた。つぎに会場及び建物の大要をのべる。