目次
/
第四章 市制の施行と進む近代化
/
第七節 文化
/
第一項 大正期の文学
/
ひろがる文学運動
文化の興隆
569 ~ 569 / 729ページ
浜松に生まれた鷹野つぎ(後述)は「私の少女時代は日清戦争に亘る中間期に当り、世相は文化吸収時代の動揺期にあった。それ故外来思想も旺んに流入しつづけて居り、中央都市の主として精神的覚醒運動は諸方面に台頭してゐた。浜松にも波及があり『若い時代』の声を遠くへ感じた」(「私の少女期と浜松」『遠州文学』昭和十六年二月号)とその少女時代を回顧している。鷹野つぎがいうように、浜松地方に文化の興隆をみるのは明治の末期からであった。