つぎの死

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 昭和十八年三月十九日つぎは中野区沼袋で没した。行年五十四歳。「またとなきおほき戦さの行先も明らめもせでわれは逝くなり」はその遺詠であった。その年の九月十八日弥三郎(五十八歳)も没した。戦局はようやく苛烈、わが軍はガダルカナル転進中であった。
 
【娘と時代】浜松高等女学校入学のころから卒業のころまでの回想を綴った『娘と時代』と随筆『春夏秋冬』は、その没後の十九年刊行されている。