【平松東城】東城(勘左衛門、小笠郡大渕村、現大須賀町生、昭和十年二月没、三十六歳、遺詠集『雨燕』)は、浜松元魚町弁護士沢田寧方に寄留。雪腸に知られ、中谷福男とともに『犬蓼』系の短歌誌の『あかしや』を大正十四年八月発刊(翌大正十五年八月で終刊)し、昭和八年ごろまでに福男・中道光枝(浜名郡和田村薬師新田、中道朔爾夫人、歌集『遠富士』)などと合作集『矢ぐるま』『石火集』『青栗』を刊行している。なお東城は国学にも興味をもち、いろいろの写本をしている。【法月歌客】また法月歌客(のりづきかきゃく)(照三郎、当市紺屋町、歌集『砂丘』)は雪腸門下の歌人で昭和二年浜松新聞の主筆であった。童謡集『たんぽぽ』『かもえ』その他『詩人サッフォ』『恋愛の音楽家』等の著述もある。