目次
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第四章 市制の施行と進む近代化
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第七節 文化
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第五項 俳句
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加藤雪腸と伊東紅緑天
紅緑天と雁来紅
584 ~ 584 / 729ページ
伊東紅緑天(正平、浜松菅原町生、大正三年七月没、二十二歳)は雪腸に師事し、遺稿集に『雁来紅』(大正四年十二月第三社刊)があり、大須賀乙字は跋文で「天才的の閃きは之を覆ふことが出来ない」と悼んでいる。なお表紙は岡部長節(当市東伊場町、岡部譲の第三子、長節の子に岡部冬彦がある)が画いている。
紅緑天四句
城址午砲を据えて裏山渡る東風
昼の海かがやける前の牡丹かな
殊に扇の白さなどやや熱あり
短夜の灯を見ても尚熱ひかず