中道朔爾(後述)は詩の個人雑誌『異礼』を大正十二年発刊している。すぐ廃刊となったが、浜松地方の最初の詩の雑誌で、朔爾は十五年六月には花井陽三郎らと浜松詩人協会を創立している。
杉浦けいいち(慶一、当市元魚町、遺稿集『寂光帖』)は療養のため鴨江快真寺付近に住み、兄儀一郎(同志社大学神学部講師、大正十三年没)の感化をうけて詩をつくり『日本詩人』に作品を発表している。また永田武之(三木露風門下)・後藤國道なども詩作をしている。なお井上靖の詩集『北園』には、少年時代をすごした浜松の思い出が詩としてのせられている。