静岡詩集

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 静岡県出身詩人四十一人のアンソロジーともいうべき『静岡詩集』(編集秋本敏夫、発行浜名郡飯田村鈴木致一)が発刊されたのは昭和七年十月で、その第二集は十年一月(編集秋本敏夫、発行三組町殉詩徒社)発刊をみている。【秋本敏夫 谷ゆりか】浜松では浦和淳・秋本敏夫・天野録(当市亀山町)・岡本美致広(広司、当市栄町)・吉川轉(当市千歳町)・塩寺はるよ・谷ゆりかの七名が掲載されている。秋本敏夫は八年九月鈴木致一とともに『殉詩徒』を、また谷ゆりかは『風』を創刊している。こうして昭和五年ごろから八年ごろへかけて、詩を愛好する青年たちにより詩誌が発刊されたり、改題したり、休刊したり、終刊となったりしていった。詩運動のさかんなときであった。