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 【後藤一夫】その後、昭和十六年に『木蔦』(竹月冬・後藤一夫・浦和淳・谷ゆりか)が刊行されている。また『東』は「遠州文学」(前述)によって成った純然たる詩誌で十八年ごろまでに数冊刊行されている。【菅沼五十一】同人に後藤一夫・菅沼五十一・竹月冬・岩崎覚・谷ゆりかなどがあった。二号の後がきに「此の決戦場裡へ向ふ時我等は飽く迄神聖な詩道場への進路を取違へぬ」とあり、四号には「遠州文学報国会詩部の活躍の舞台がなく、同人一同浜松市翼賛文化協会に合流、遠州文学報国会とともにこの道に精進したい」とある。両詩ともワラ紙の謄写版印刷であった。
 この期の詩集に小楠伊吉『野っ原の唄』(昭和六年十一月刊)、藤田春一『葱』(昭和九年十二月刊)、浦和淳『悲劇』(昭和十年十二月刊)、後藤一夫『十年の神』(昭和十一年四月刊)、菅沼五十一『春幾春』(梶浦正之序文、昭和十八年十二月刊)、平田耿思『緑の星』(不詳)などがあった。