中村精は昭和十四年慶応大学に招かれて『三田評論』や『民芸手帖』の編集もした。たえず関心を浜松の民芸によせ『民芸手帖』にその紹介をしている。その著に『遠江の木喰五行上人』(昭和十六年二月刊)『日本ガラ紡史話』(昭和十七年四月刊)『工芸と歴史』『民芸と浜松』(昭和十一年六月刊)『磯丸の生涯と和歌』(昭和十三年四月刊)がある。【かいほつ】その没後『中村精遺稿集かいほつ』が発行されている。高林兵衛の収集になる時計は現在国立科学博物館に収蔵されている。また平松実の「ざゝんざ織」も昭和六年には国展に入選し、その年東京銀座の資生堂ではじめて個人展覧会を開き、ついで七年には大阪毎日新聞社主催の音楽美術運動民芸品展覧会に出品して「民芸賞」を得ている。