内田旭(明治十年一月生、内田正の長男、東大卒、当市野口町居住、昭和三十七年三月二十三日没、八十六歳)は、浜松新町の旧家の出身である。【老松園】大正十五年故郷の浜松(野口町)へ帰り住み、庭内に老松が多いのにちなみ老松園と号した。三十五銀行取締役、つづいて静岡銀行の監査役、その他浜松市学務委員・浜松商科短期大学学長なども勤め、静岡県郷土研究会副会長・遠江郷土研究会々長・県居翁研究会々長・浜松市史編纂委員・浜松史蹟保存会々長・郷土研究三遠文化協会顧問に推され浜松地方郷土史界に重きをなした。
【郷友と研究論文】郷土研究の論文は『静岡県郷土研究』などに掲載されているが、晩年はその主宰になる郷友社の機関誌『郷友』に「浜松の藩学」(『郷友第一号』)「浜松の私学」(『郷友第五号』)「杉浦国頭の生涯」(『郷友第七号』)などの論文を発表している。このほか『渡辺蒙庵の研究』『村尾元融兄弟』『浜松の村尾元融』『浜松の大雄庵』『遠州の先賢掛川海野予介』などの著がある。
遠江郷土研究会誌