耐乏生活と竹槍練習

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 また出征軍人宅の慰問も手が廻りかねるようになっていった。食糧をはじめ日常生活品の窮乏も著しく、風呂を沸かしたくても燃料はなく、洗濯をしたくても石鹼がなかった。病気になっても薬品の入手が困難であった。衛生状態が悪くなり、のみやしらみが発生した。商店街を歩いても商品を売る店はほとんどなく、戸を閉ざす家が多かった。次頁の表は浜松市に住む俸給生活者の配給物資表である。主食代用の乾麵・馬鈴薯・甘藷などが配給されているが、まだこの頃はよい方で、二十年も六月以降になるとそれもとぎれ勝であった。そうした間にも敵軍の上陸にそなえて竹槍(たけやり)を武器とする竹槍部隊が主婦を主体として隣保単位に編成され、その練習もしばしば繰り返され銃後のくらしも切迫してきた。
 
(表)浜松市主要物資配給表 昭和19.6~20.5(俸給生活者 家族大人4,小人4)
年月日物資数量価格
19年円 銭
6. 537.2kg13.39
63切75
6マッチ1箱15
7石鹸80
8馬鈴薯37.5kg 4.20
10木炭1俵 2.55
1610束 2.75
1927.9kg10.04
30高梁3.4kg 1.06
7. 433.6kg11.83
1728.1kg 9.89
3137.0kg13.68
31乾麺3束72
8.15馬鈴薯17.0kg 1.90
16小麦粉6.1kg 5.38
19煉炭・薪 2.59
26大豆6.1kg 1.86
26マッチ4箱82
2928.0kg 9.97
29半束30
9. 5小麦粉7.0kg 2.75
5石鹸7コ67
1127.6kg10.05
16大豆3.8kg 1.16
20乾麺3袋72
24小麦粉7.5kg 2.93
2527.2kg 9.79
10. 3乾麺8束 2.02
929.8kg10.37
112束 1.58
12甘藷7.6kg77
12縫糸25
14大豆7.5kg 2.29
2426.4kg 9.19
24乾麺3.6 3.36
25甘藷30.0kg 3.31
26マッチ大箱半分小20 1.65
11. 4甘藷30.0kg 3.30
4巻煙草4箱 1.51
11. 630.1kg10.60
12煉炭4寸
18甘藷30.0kg 3.31
2126.3kg 9.21
23甘藷30.0kg 3.31
12. 1大豆3.8kg 1.16
6甘藷30.0kg 3.31
6木炭半俵 1.53
8塵紙8帖80
15蜜柑7コ42
15 2.82
1963.9kg22.49
24糯米8.0kg 3.14
2710束 6.84
20年
1.1629.0kg10.21
17甘藷15.2kg 1.68
253束 2.38
2933.8kg11.90
29木炭5分の1俵67
30 1.24
2.1037.0kg13.17
17小麦粉3.8kg 1.48
2733.8kg11.73
27木炭半俵 2.25
3.1237.6kg13.05
1829.5kg10.33
28煉炭3コ50
29代用炭3分の1俵86
4. 8マッチ 1.02
8石鹸2コ22
11木炭2分の1俵 2.15
1138.2kg13.45
12高梁3.8kg 1.17
2333.8kg12.17
5. 737.1kg12.36
96束 3.54
10煉炭7コ 1.15
2226.3kg 9.13
22大豆11.3kg 3.62