倒潰した工場
(表)浜松市附近住家被害状況
市町村名 | 全潰 | 半潰 | 備考 |
浜松市役所 | 198 | 406 | 戦災のため町内別被害者数は不明 |
直轄区域 | |||
曳馬支所 | 10 | ||
蒲支所 | 中島航空KK,宮竹工場全潰 (木造鋸屋根1600坪) | ||
白脇支所 | 23 | 33 | 寺脇町-高福寺全潰 |
白羽町-法蔵寺全潰 | |||
中田島町-海竜寺全潰 | |||
福塚町-神宮寺山門全潰 | |||
井戸によれば地下15~16尺迄粘土,以下砂層 | |||
富塚支所 | 7 | 18 | 被害の多い低地部はもとの湖底らしく同地小学校地下よりコマモが出る |
計 | 228 | 467 | |
積志村 | 5 | 14 | |
豊西村 | 1 | 1 | 南半にやや被害,被害家は老朽弱化のため |
笠井町 | 2 | ||
長上村 | 4 | 19 | 東亜航空浜松工場半潰 (木造瓦葺 平屋鋸屋根120坪) |
中の町村 | 97 | 137 | 神社全潰3棟,半潰1棟 |
小学校全潰1棟(井戸屋形),半潰1棟(廊下),死亡2人 | |||
被害家は古い家,屋根の重い家,かどの家,神社等 | |||
役場,学校,病院等地盤の不同沈下によって破損した(重みのかかった柱の部分が沈下) | |||
各所より地震の際噴水 | |||
掘抜井戸は20~23間 | |||
東海道本線鉄橋はピアにきれつが入り上部が移動。天竜川原に立つ送電鉄塔南に傾斜 | |||
和田村 | 14 | 20 | 天竜兵器工場倒潰し死亡2人,傷者1人(動員学徒) |
全村的に家がひずみ,屋根瓦落下壁脱落等の被害 | |||
東海道は横羽東方できれつ村道薬師にて1尺程陥没 | |||
飯田村 | 8 | 8 | 日本楽器KK天竜工場全潰,常久寺半潰,小学校廊下崩解し,学童死亡3人 |
以上のほか家の傾斜,壁落下は多数,家屋のほか,田畑のきれつ甚だしく,農作に被害が多かった | |||
掘抜井戸は30個内外あり,15~20間 | |||
芳川村 | 67 | 57 | 石原-寺院全潰2棟,死亡1人 |
大橋-寺院全潰1棟 | |||
恩地-小学校廊下全潰 | |||
西伝寺-寺院半潰1棟 | |||
老間-寺院半潰1棟,死亡2人 | |||
全村的に家がひずみ,壁落ち,かわら,ガラスの被害が多かった | |||
掘抜井戸は役場で31~32間,鼠野で37~38間,四本松で34間 | |||
輪河村 | 57 | 97 | 神社及び寺院全潰各1棟 |
全村的に家のひずみが多い。江戸時代の旧天竜川流路跡に倒家 | |||
掘抜井戸は富屋敷で40間以上 | |||
五島村 | 42 | 86 | 寺院・神社は全部半潰 |
松島祐泉寺,福島観音寺,西島大昌寺等被害大きく,又松島神社は殆全潰。全体的に見ると家のひずみ等の小被害が多い | |||
海岸沿いの耕地は隆起陥没がいちじるしい。砂防堤は所々くぼみ,そこの松並木は倒れた | |||
三方ヶ原村 | |||
吉野村 | 4 | 10 | 被害家は老朽のため |
和地村 | 5 | 2 | 中トヤ-道路面人馬の入りうる大きれつ |
下ノヤ-路面小きれつ | |||
中久保- 〃 | |||
上久保- 〃 | |||
向- 〃 | |||
北庄内村 | 1 | ||
南庄内村 | 2 | 12 | |
村櫛村 | 82 | 58 | 被害は明治以後の湖面埋立の部分で,特に北明に多い。西明で死亡男女各1人。地震の時東部埋立地で赤褐色の泥水を吹く |
伊佐見村 | 3 | ||
神久呂村 | 3 | 3 | |
入野村 | 34 | 33 | |
新津村 | 2 | ||
篠原村 | 38 | 82 | 小学校廊下全潰48坪,教室の半潰125坪,寺院全潰1棟,神社全潰1棟,工場半潰5棟,倒家はいずれも壁が少い。寺院は屋根が重いために倒れた。工場被害は木造の不完全な建て方による |
全村砂地,篠原北部のボーリングによればずっと砂層で,20間,30間,60間の所に礫層を夾む。馬郡では地下100間まで砂層,所々に海層の埋れた層がある | |||
計 | 470 | 640 | |
雄踏村 | 15 | 22 | 葬儀用建物倒潰1棟(中村) |
神社の水屋倒潰1棟(領家) | |||
山崎住家半潰,2棟は殆全潰 | |||
被害は砂丘地周辺の湖面開拓地に多い。養魚地の見張小屋は各所で殆全潰 | |||
可美村 | 4 | 遠州織機KK全潰4,669.5坪,死亡2~3人 | |
鈴木織機KK全潰3,033.6坪 | |||
高蔵寺全潰67.57坪 | |||
工場被害の原因はバラック造りのため,雀神社・春日神社拝殿各々半潰 | |||
舞阪町 | 1 | 16 | 寺院全潰1棟,3分潰1棟,人畜被害はない。橋はかろうじて通り得る程度の被害 |
計 | 20 | 38 |
(大庭庄八『1944年12月7日東南海地震に見られた遠江地方の家屋被害分布と地盤との関係』)