坂田市長就任前の昭和二十二年三月二十日の『静岡新聞』には「四都市中最下位 浜松市の住宅復興」の見出しの記事が出た。このようななか、坂田市長は住宅建設の推進に力を入れた。昭和二十三年度から同二十六年度までの市営住宅の建設状況は表2-4の通りであるが、特に注目されたのは鉄筋コンクリート四階建ての市営アパートである。昭和二十四年度には国庫補助が出ることになり、浜松市はこれを松城町に建設し、昭和二十五年三月に完成した。浜松市でこのような高層の市営住宅が完成したのは驚くべきことで、翌二十五年度にも隣接地に四階建ての市営アパートを建設した。これらを含め、昭和二十三年度から昭和二十六年度までに市営住宅は合計五百三十九戸が建てられた。松城町の二棟の四階建て市営住宅はその後何回かの改修があったものの、現在も使用されている。
表2-4 市営住宅の建設状況
(昭和27年9月1日現在)
出典:『浜松市勢要覧』昭和27年版より作成
建設年度 | 種 別 | 構 造 別 | 建設戸数 | 1戸当坪数 | 室数 | 1戸当建築費 | 所 在 地 |
昭和23年度 | 第1種 | 木造平家建瓦葺2戸建 | 200戸 | 10坪 | 2間 | 105,648円 | 和地山町90戸名残町110戸 |
昭和24年度 | 第1種 | 木造平家建瓦葺1戸建 | 75戸 | 10坪 | 2間 | 165,492円 | 名残町45戸浅田町15戸東伊場町15戸 |
〃 | 第1種 | 鉄筋コンクリート造24戸建 | 24戸 | 12坪 | 2間 | 410,971円 | 松城町24戸 |
〃 | 第2種転用 | 木造平家建瓦葺4戸建 | 4戸 | 12坪 | 2間 | 97,105円 | 寺脇町4戸 |
昭和25年度 | 第1種 | 木造平家建瓦葺1戸建 | 70戸 | 10.5坪 | 3間 | 204,471円 | 名残町60戸下池川町10戸 |
〃 | 第1種 | 鉄筋コンクリート造24戸建 | 48戸 | 12坪 | 3間 | 444,920円 | 松城町24戸名残町24戸 |
〃 | 第1種 | 鉄筋コンクリート造4戸建 | 16戸 | 12坪 | 3間 | 424,071円 | 名残町16戸 |
昭和26年度 | 第1種 | 木造平家建瓦葺1戸建 | 30戸 | 10.5坪 | 3間 | 310,638円 | 高林町10戸鴨江町20戸 |
〃 | 第1種 | 鉄筋コンクリート造24戸建 | 72戸 | 12坪 | 3間 | 651,914円 | 名残町24戸亀山町48戸 |
計 | 539戸 |