[特別高等警察の廃止]

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【特別高等警察】
 敗戦から程ない昭和二十年(一九四五)九月二日、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)は、指令第一号を発し、旧日本軍の降伏及び武装解除を命じたが、警察機関については、特別高等警当面その部署にとどまり、法と治安の維持に当たることを命じた。しかし、GHQは、同月二十二日の初察期の対日方針で、秘密警察組織の解消を要求した。ここでいう秘密警察とは特別高等警察を指していた。次いで、十月四日の政治的公民的および宗教的自由の制限除去に関するGHQ覚書では、治安維持法等の廃止、政治犯人の釈放、秘密警察機関と言論検閲関係機関の廃止、内務大臣・警保局長・警視総監・府県警察部長・特別高等警察官の罷免を命令したが、これはその後の警察再編成の重要な指針となった。(百瀬孝著『事典昭和戦後期の日本』吉川弘文館、二二六頁)。これらの措置により、治安維持法は廃止され、警察首脳部や無政府主義、共産主義の運動や思想犯を主に取り締まった特別高等警察の警察官は休職となり、戦前の警察機関は解体された。