[婦人警察官の登場]

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【婦人警察官】
 警察民主化運動の一つとして華々しく登場したのは婦人警察官である。昭和二十一年三月警視庁が初めて採用し、以後各道府県に普及していった。静岡県では、翌年八月三十名の婦人警察官を採用することとし、同年九月に第一次採用試験を実施した。応募者は百九十四名、合格者八十七名で、翌十月二次試験が行われ、三十名が採用決定者となった。その後、彼女らは一カ月間警察練習所に入所し、教養科目は男子警察官とほとんど大差なく行われ、終了後県下十五警察署に配置され、その中から浜松署には四名が配置された。
 婦人警察官の勤務については、所属長の定めるところに従い、警察官の補助として次のような勤務に服するものとされた。一、防犯 交通・地理・衛生指導 二、未成年者または婦人の風紀指導 三、迷子・家出人(未成年者及び婦人)の保護等であった(『静岡県警察史』下巻)。そのころの具体的な活動を新聞記事から拾ってみよう。昭和二十三年二月二十五日市内のある家で十数名の男女が花札賭博を開帳中、刑事と婦人警官が変装してジープで現場に踏み込み、十二名を取り押さえた。婦警は「五人の婦警で三、四人は楽に捕えられる」と語っている(『静岡新聞』昭和二十三年二月二十八日付)。彼女らは、こうした捜査に従事することもあった。