[米国教育使節団と教育刷新委員会]

115 ~ 116 / 900ページ
【『米国教育使節団報告書』 教育刷新委員会】
 連合国軍最高司令官マッカーサーの要請に応じて昭和二十一年(一九四六)三月に来日した米国教育使節団は約一カ月間、各地を視察したり、日本側の教育関係者と協議を重ねた。そして、これからの日本の教育のあるべき姿を『米国教育使節団報告書』という形で月末に提出、これが四月七日に発表された。ここには、教育の目的や内容、教育委員会制度、六・三制の学校体系、男女共学など様々な事柄が記されており、これらが日本で実行に移されるように勧告したのであった。この報告書には、国語の簡易化やローマ字の採用、さらに図書館や博物館など成人教育の分野に至るまで多くのことが書かれていた。この勧告を受けて、日本は昭和二十一年八月に教育刷新委員会を設置し、これからの日本の教育のあるべき姿を審議していった。この委員会は教育界はもちろん、政治・宗教・文化・経済など多くの分野の専門家約五十名の委員で構成されていた。ここで審議し、決定されたことは内閣総理大臣に建議することになっており、この建議は昭和二十一年十二月二十七日を第一回として、同二十六年まで三十五回に及んだ。第一回の建議は教育基本法の制定とその内容に盛り込むべきこと、新しい学制については、国民学校初等科に続く教育機関として修業年限三カ年の中学校(仮称)を置くこと、中学校に続くべき教育機関を高等学校(仮称)、高等学校に続くべき教育機関を大学とすること、私立学校のこと、そして、教育行政に関して教育委員会を設置することを求めた。第二回の建議は昭和二十二年一月七日で六・三制の義務教育制度は昭和二十二年度から必ず実施することを要望した。