【男女共学】
普通科の高校の男女共学については先述の通りであるが、実業高校の場合は授業の内容などの面からやや遅かった。浜松商業高等学校に初めて女子生徒が入学したのは昭和二十五年四月のことで、昭和二十八年三月には一名の女子卒業生を送り出している。その後は女子生徒も増え始めたが、浜松工業高校や浜松農業高校へは昭和三十年代の半ばになっても女子の入学は見られなかった。
新制高校になって初めて取り入れられた男女共学は新制中学校以上に大きな問題となったが、浜松北高校や浜松西高校の新聞もこのニュースをたびたび取り上げている。『浜松西高新聞』は北高・市立・西高の生徒と教師を集めて共学座談会を開催、その詳細を報道している。見出しには「偏見打開はわれらの務」、「飾ろう共学の第一歩」、「向上する相互間の理解」、「伝統に新しい息吹き」などがあり、肯定的な意見が多く出ているが、「切望される女子用設備」などのように問題も指摘されている。