谷島屋書店 バラック建て

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 露店が立ち並んでいるなか、市街地には商店も誕生し始めた。終戦の年の十一月、谷島屋書店は連尺町に建てた住宅の一室を店舗にしたが、これが街に営業再開の気運をもたらしたという。昭和二十一年三月には焼け跡ばかりが目立つ街にバラックではない三角屋根の特色ある北欧風の書店が開店した。ただ、これは例外で、ほとんどの商店は間口三間、奥行二間のバラック建てで、住まいと併用しており、店舗とは名ばかりの粗末なものだった。それでも何とか商店らしく見せようとして、ひさしの上にあたかもその高さまで建物があるかのように付けた大きな看板に店の名前を書いたり、窓を付けたりしていた。このような商店を一軒だけでなく、隣同志で軒をそろえ、商店らしい街並みに見せる工夫をしていた。このころ数多く開店したものはカメラ店で、松菱のカメラ売場を含め四店が新聞に広告を出している。また、陶器店、料理店、割烹、喫茶店なども出来ている。

図2-32 バラック商店街