【第一回浜松まつり】
戦後、第一回浜松まつりが、昭和二十五年五月一日から五日までの五日間、盛大に開催された。このまつりは市民からの強い要望で実現したものであるが、そのような盛り上がりを見せた背景には、昭和二十三年の復興浜松商工祭と二十四年の浜松電化祭の成功があった(第七節社会 第四項参照)。第一回浜松まつりを開催するに当たり、その趣意書には次のような趣旨が述べられている(『浜松商工会議所百年史』)。
浜松の凧揚げは浜松っ児の象徴として、浜松人の気風を育てた心の糧でありますが、三百八十余年の伝統を今日に伝えていまなお古式そのままの大行事となっています。
これを愛市愛郷の心により、近代感覚の競技に生かし、更に純化してその伝統を高揚し、真に大浜松への進展に貢献寄与し得る態勢に導き、老いも若きも、男も女も、全市民が挙げて、明朗に楽しめる一大祭典の機会に発展させ、これをそのまま本格的な観光的大カーニバルとして成長させたい念願であります。
第一回浜松まつりの行事内容は以下の通りである(『浜松商工会議所百年史』)。
〈凧揚部〉凧揚げ競技大会 山車屋台引回し
〈演芸部〉木遣り道中 邦楽舞踏 洋楽舞踏 素人のど自慢
〈商工祭部〉物産展示会 広告行列 芸能大会 浜松商店界連盟協賛大売出し
〈農業祭部〉農家各部落巡回演芸 福引付農家宝典の配付
〈宣伝部〉アドバルーンの掲揚 浜松駅・遠鉄各駅の装飾 浜松駅前広告塔建設 ミス浜松発表会 ミス浜松披露会 ミス浜松写真展
〈その他〉各町ごとの出し物 打ち揚げ花火ほか
これ以降、浜松まつりは毎年開催され、年々盛大になり、年に一度の大イベントに成長している。