遠鉄はこのようにバス車両のディーゼル化、大型化を図る一方、昭和二十四年九月には一般貸切旅客自動車運送事業免許の認可を受け、近距離貸切バスの運行を再開した。社会的・経済的混乱が少しずつではあるが安定へと向かい始め、観光への人々の関心も高まりつつあった。二十三年四月には浜松商工会議所を中心として遠州観光協会が設立され、二十四年八月には同協会と遠州鉄道の監修による『遠州新ハイキングコース』を発行、近距離観光六コース及び遠州鉄道推薦十コースを紹介してその宣伝に努めた。また、浜名湖とその周辺が県立公園に指定された二十五年五月には六両が貸切専用として認可を受けた。
遠州鉄道の貸切バスの走行キロ数は、昭和二十四年度の二万九千六百五十一キロメートルから二十五年度には十七万六千百七十四キロメートルへ約六倍の増加、同時期に乗車人員は四万二千五百七十人から十二万七千五百四十五人へ約三倍(表2-40)、旅客収入も二百三十四万五千二百九十五円から九百八十一万百七十二円へ約四倍に増加した。
表2-40 遠州鉄道(株)バス部門の輸送実績の推移
出典:『遠州鉄道40年史』より作成
年度 | 車両数 (両) | 走行キロ(km) | 輸送人員(人) | ||||
乗合 | 貸切 | 合計 | 乗合 | 貸切 | 合計 | ||
昭和18 | 131 | 1,041,694 | 1,041,694 | 2,860,427 | 2,860,427 | ||
20 | 50 | 2,350,967 | 2,350,967 | ||||
21 | 50 | 1,110,559 | 1,110,559 | 3,256,261 | 3,256,261 | ||
22 | 57 | 1,132,493 | 1,132,493 | 3,723,913 | 3,723,913 | ||
23 | 68 | 1,297,111 | 1,297,111 | 3,727,755 | 3,727,755 | ||
24 | 80 | 1,861,810 | 29,651 | 1,891,461 | 5,067,767 | 42,570 | 5,110,337 |
25 | 91 | 2,698,418 | 176,174 | 2,874,592 | 6,930,211 | 127,545 | 7,057,756 |
26 | 103 | 3,253,311 | 186,186 | 3,439,497 | 9,245,951 | 97,711 | 9,343,662 |